会長あいさつ
ごあいさつ
京都府視覚障害者協会 会長 岡田 多栄子
日頃より京都府視覚障害者協会の活動に温かいご理解とご支援を賜り、心より感謝いたしております。
私は、2023年度より会長の職をお預かりしており、現在2期目を務めております。責任の重さに身の引き締まる思いを抱きながら、会員の皆さまとの対話と協働を大切にしながら、日々の活動に取り組んでおります。
先天性の視覚障害を持つ私は、幼少期から箏曲を学び、地歌・箏曲家としての道をあゆんでまいりました。大学に進学した時、盲学校とは違い「自分に使える教材がない」という問題に直面し、「関西SL(Student Library)」という視覚障害学生の学習環境の改善を目指す会に参加し、その活動をとおして「視覚障害があるがゆえに困難なことは自らの言葉で伝えることと、そうすることにより良き理解者に巡り会える」ということを、身をもって感じ、行動できるようになりました。その想いは、京視協での活動の根幹にもなっています。
本会では、見えにくさを感じるようになってこられた方が、できるだけ遠回りをせず、リハビリテーションにつながる仕組みづくりを進めています。見えにくいことで不自由なことはいろいろありますが、何もできなくなったのではなく、制度の利用をはじめ便利なものの活用やちょっとした工夫により、失ったかと思っていたことが取り戻せて、自分らしく生き続けることができるのだということを知ってもらいたいのです。
情報があふれている今、あえて組織に入らなくてもという声や、インクルーシブな社会を目指している時代に、あえて障害者団体の活動が必要なのかという考えもあります。
私にとって、悔しいことやもどかしく感じることを共有し、喜びを分かち合い、無理をせずありのままの姿で接することができる同じ障害を持つ人たちとの出会いは、心の潤いや余裕を持つことに繋がっています。また、私たちの願いを自分のことのように受け止め、共にあゆんでくださる職員や協力者の方々と一緒に会活動ができることが、喜びであり生きる原動力となっています。
「ひとりぼっちの視覚障害者をなくそう」という本会の想いについては、どうすれば良いのか日々考え続けています。「みんな独りじゃないよ」というメッセージを、私たち自身が発信し続けることが、人々の心に届くと信じています。
本会では、見えにくい方だけでなく、いろんな立場の方々に視覚障害について知っていただきたいと願い、ホームページをリニューアルしました。様々な情報を掲載してまいりますので、定期的にのぞいていただけますと嬉しいです。
京都で暮らす視覚障害者はもちろん、私たちと関わる全ての方々の幸せを願ってあゆんでまいります。至らぬ点も多々あるかと思いますが、変わらぬご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。